長期金利が一時2.83%に上昇
個人事業主・中小企業への影響と今できる備え
「金利のニュースは他人事」では済まなくなってきました
長期金利とは、代表的には「10年物国債の利回り」のことです。国債(こくさい)とは国が発行する借金の証書のようなもので、「国に10年間お金を貸すと、年何%で増えて返ってくるか」を表す数字が長期金利だと考えてください。
この数字が大事なのは、住宅ローンの固定金利や、企業が長期でお金を借りるときの金利の「基準」になっているからです。長期金利が上がれば、これから長くお金を借りる人のコストは基本的に上がっていきます。
- 物価の上昇(インフレ)が続いており、金利のない時代が終わりつつある
- 日銀が長く続けてきた大規模な金融緩和を縮小・正常化する方向に動いている
- 国の財政(借金の多さ)に対する市場の警戒感も金利を押し上げる要因になる
影響① 新しく借りるお金・借り換えの金利が上がる。設備投資や運転資金のためにこれから長期の融資を受ける場合、以前より高い金利を提示される可能性が高くなります。支払利息は経費にはなりますが、お金が出ていくことに変わりはなく、毎月の資金繰りをじわじわ圧迫します。
影響② 住宅ローンの固定金利が上がる。固定型の住宅ローン金利は長期金利を基準に決まるため、これから借りる人・固定への借り換えを考えている人に影響します。自宅兼事務所で仕事をしている個人事業主の方には、家計と事業の両方に関わる話です。
影響③ 預金や国債の利息が増える(プラス面)。金利の上昇は借りる側にはマイナスですが、預ける側にはプラスです。普通預金・定期預金の金利や個人向け国債の利回りは以前より改善しており、「使う予定のない手元資金をどこに置くか」を考える価値が出てきました。
備え① 借入の棚卸しをする。まずは現状把握です。事業・家計の借入について「残高・金利・固定か変動か・返済期限」をExcelに一覧化しましょう。ここが見えていないと、何をどう判断すべきかも分かりません。
備え② 金融機関に早めに相談する。借り換えや固定金利への切り替えには手数料がかかり、得か損かはケースバイケースです。金利がさらに動いてから慌てるのではなく、数字が落ち着いて見られる今のうちに選択肢を聞いておくのがおすすめです。
備え③ 「利息が増えたら」を試算しておく。資金繰り表を作り、「もし借入金利が1%上がったら年間の利息負担はいくら増えるか」を計算しておくと、漠然とした不安が具体的な数字に変わります。計算が面倒な方向けに、借入残高・金利・期間を入れるだけで試算できる無料ツールを作りました。
備え④ 手元資金の置き場所を見直す。当面使わないお金が普通預金に眠っているなら、定期預金や個人向け国債など、金利上昇の恩恵を受けられる選択肢も出てきています(元本や中途解約の条件は商品ごとに必ず確認を)。
→ 長期の借入コストの基準
→ 預金金利にはプラス面も
→ 一覧化・相談・試算・見直し
金利のニュースは、数字だけ見ると他人事に感じます。でも「自分の借入一覧」と並べて見た瞬間、やるべきことが具体的になります。まずは週末の1時間、借入と手元資金の棚卸しから始めてみてください。
「借入の一覧なんて作ったことがない」「資金繰り表の作り方が分からない」という方も大丈夫です。税理士事務所で10年超の実務経験をもとに、フリーランス・個人事業主のお金まわりの疑問やお悩みに対応しています。
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