原油が一時4%超急騰
ホルムズ海峡のリスク再燃で何が変わる
円安162円台との「ダブルパンチ」。中小企業の値上げ交渉・資金繰りの備え方【2026年7月13日時点】
報道を整理すると、今回の急騰の背景は次の通りです。
- 米国とイランが週末にかけて大規模な攻撃を応酬。イラン革命防衛隊が、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の航行が困難になるとの声明を出したと報じられている
- WTI原油先物が前週末比4%超上昇し、一時1バレル=74ドル台後半。北海ブレント原油も一時70ドル台後半まで上昇した
- 為替市場では円安が進行し、東京市場で一時1ドル=162円台。日経平均株価も一時1000円超下落する場面があった
ホルムズ海峡とは、ペルシャ湾と外洋をつなぐ幅の狭い海峡で、中東産の原油・LNG(液化天然ガス)を運ぶタンカーの大半がここを通ります。世界の原油輸送量のおよそ2割がこの海峡を経由するとされ、「石油の大動脈」とも呼ばれる要衝です。
ここで押さえておきたいのが、原油価格は「実際に供給が止まった量」ではなく「将来止まるかもしれないという懸念」だけでも動くという点です。原油先物市場は、今この瞬間の需給だけでなく、数週間〜数か月先のリスクを織り込んで値付けされます。だからこそ、実際にタンカーが1隻も止まっていない段階でも、「封鎖を宣言した」というニュースだけで価格が跳ね上がります。
今回厄介なのは、原油高と円安が同時に進んでいる点です。原油はドル建てで取引されるため、①ドルベースの原油価格そのものが上がり、②円安でその価格を円に換算するときのレートも上がる、という二重の値上がりが起きます。輸入に頼る原材料・エネルギーほど影響が大きくなります。
- 燃料費・電気代: ガソリン・軽油・灯油のほか、火力発電の燃料コストにも波及し、電気代の値上がりにつながりやすい
- 物流費: 運送業者が請求する「燃料サーチャージ」(燃料費上昇分を運賃に上乗せする仕組み)の増額を通知されるケースが増える
- 原材料費: 石油化学製品由来のプラスチック・梱包資材、化学繊維などのコストが上がりやすい
コストの上昇そのものは止められませんが、備え方はいくつかあります。
- 価格転嫁交渉の準備: 原材料費・燃料費の上昇は、取引先への価格転嫁を求める正当な理由になり得ます。「いつ・何が・どれだけ上がったか」を示す資料(仕入伝票や請求書)を整理しておくと交渉がスムーズです
- 資金繰り計画の見直し: コスト増が資金繰りを圧迫する前に、必要な運転資金の見込みを再確認しておく
- 借入コストとの複合影響も意識する: 金利が上昇局面にある場合、原油高・円安によるコスト増と借入負担の増加が同時に来ることもあります
→ ホルムズ海峡再封鎖宣言で原油4%超急騰
→ 世界の原油輸送の約2割が通過。懸念だけで価格が動く
→ 燃料費・物流費・原材料費に波及
→ 価格転嫁の資料整理・資金繰り計画の見直し
原油・為替の動きは今後も変わる可能性があります。「実際に値上げ通知が来てから慌てる」のではなく、「懸念が出ている今のうちに」資料を整理し、資金繰りの余裕を確認しておくことが、落ち着いた対応につながります。
「取引先への値上げ交渉のやり方がわからない」「このままの資金繰りで大丈夫か不安」——そんなお悩みのご相談も承っています。税理士事務所での実務経験をもとに、無理のない資金繰り・経理体制づくりをご提案します。
ココナラの出品サービスもありますので、そちらもご活用ください。
お金の悩みやそれにまつわる疑問や相談お受けします 説得力や信頼性が高まる知識をあなたに。
