インボイス制度 “フェーズ2” 目前!免税事業者の備え完全ロードマップ

インボイス制度 “フェーズ2” 目前!免税事業者の備え完全ロードマップ 税金
インボイス制度 “フェーズ2” 目前!免税事業者の備え完全ロードマップ
今回はインボイス制度のフェーズ2という事で、免税事業者からの仕入れ税額控除の割合が変わる2026年10月以降のお話になります。
免税事業者との取引がある方や、免税事業者として取引している方に読んでいただきたい記事になります。
事業者によっては、かなり大きな負担になり得ますのでしっかりシミュレーションしてもらいたいと思っています。

2026年10月からのインボイス制度

2026年10月、インボイス制度はフェーズ2に入り、免税事業者からの仕入に対する控除率は80% → 50%に縮小します。本記事では「登録/非登録」判断から業務フロー刷新まで7ステップで解説。読了後に“やること・費用・期限”が明確になることを目指します。

3行まとめ

  • 控除率 80% → 50%(2026/10/1〜)で粗利が目減り
  • 契約条項・請求書フォーマットの整備は今年度内が安全圏
  • 登録判断は 2割特例+補助金を試算し“損益見える化”

インボイス制度の経過措置:控除率はこう変わる

インボイス制度・仕入控除率の推移
期間 控除率 解説
2023/10/1 ~ 2026/9/30 80% 免税仕入でも 8 割控除
2026/10/1 – 2029/9/30 50% 控除半減で薄利業種は赤字化
2029/10/1 以降 0% インボイスなし取引は控除不可

“免税事業者さん”との取引コストは二段階で跳ね上がるため、特にマージンの薄い卸売・システム下請け業は要注意です。

一人親方やスキルマーケットの人は仕事が来なくなるケースは少ないと思うけど、そろそろ注意が必要かも。

準備① 取引条件&契約条項の総チェック

  • 単価再計算 — 50%控除で粗利▲3万のケース。
    例:税込110万仕入 → 控除 8→5万(負担+3万)
  • 契約書/発注書 — 「消費税相当額は価格に含む」条項、インボイス不備時の価格調整条項を挿入。
  • 請求書フォーマット — 必須6項目+税区分欄を確認。後日登録切替に備える。

ちなみに、価格について免税事業者を理由に値下げされるようなら、下請法や独占禁止法違反となる可能性があります。納得できない値下げ交渉は反対してもいいと思います。ただ…それが出来るかというのは難しいですよね…。

準備② 登録判断を“数字”で可視化

ケース 選択肢 メリット デメリット
1 登録して課税事業者 取引継続が円滑。控除ゼロ化にも備えられる 消費税の申告・納税が発生
2 非登録を継続 納税ゼロ維持(超小規模向き) 値引き・取引停止リスク/控除50→0%

小規模事業者は2割特例(売上で預かった消費税×20%)で納税負担を抑えられます。“損益ライン”を確認してみましょう。数円ズレますが、税込売上×0.01818(1.818%)で2割特例の場合の消費税の納税額が計算できます。

※この特例は令和8年9月30日が属する申告分までなので、フェーズ2以降と共に終了してしまいます…。2割特例適用可否フローチャート 国税庁

2割特例が終わると負担割合は跳ね上がります。この正確な試算については税理士などの専門家に依頼することをおススメします。

売上の約1.8%を税金で持っていかれるというのをどう考えるかだね

リアルケース — 制作会社A社のビフォー/アフター

◆ Before(非登録のまま)

  • 年商 900 万円、仕入 420 万円(免税取引 80%)
  • 控除 80% → 336 万円計上

◆ After(登録+2割特例)

  • 仕入控除は 50%(210 万円)に縮小
  • 納税額 900×10%×20%=18 万円 → 負担差額▲108 万円

結果値下げ交渉を回避しつつ納税コストを最小化。

※これは課税事業者側の目線になります。

実行タイムライン — フェーズ2までのロードマップ(目安)

時期の目安 実施内容
2024年夏頃(7〜9月) 取引先リストの作成、登録有無のヒアリング
2024年秋〜冬頃(10〜12月) 単価見直し・契約条項の確認、請求書フォーマットの調整
2025年初頭(1〜3月) 会計DXやOCR導入、試験的な運用の開始
2025年夏頃(7〜9月) 2割特例・補助金申請、登録/非登録の最終判断
2026年夏〜秋(7〜9月) 最終確認と運用チェック → フェーズ2(2026年10月〜)の本格スタート準備

ペースの目安になれば良いかなと思うよ

6. 準備③ ワークフローを“インボイス前提”に再設計

  • 📑クラウド会計+OCR — 紙請求→自動仕訳で入力80%削減
  • ⚠️例外管理 — 未登録先フラグ→値下げ交渉 or 登録促進
  • 💰補助金 — IT導入補助金〈インボイス枠〉最大2/3、小規模持続化+50万円
  • チェックリスト — 異常値・番号抜けを月次点検

7. よくある Q&A

売上1,000万円未満でも登録するべき? 課税取引先が主なら登録+2割特例が無難。値引き要求を防ぎ、控除ゼロ化にも対応。
インボイス番号ミスは? 修正インボイス再交付が必要。番号違いは控除不可リスク大、受領時即チェック。
電子取引は? 電子帳簿保存法対応クラウド請求システムでタイムスタンプ&検索性確保。

インボイス制度まとめ

— “半減ショック”に備える今年が勝負

  • 🔻2026/10:控除50% → 対応遅れは粗利直撃
  • 🔄単価見直し・登録判断・業務DXを2025年度内に完了
  • 🚀 税額試算→取引先ヒアリング→補助金申請 の3ステップで速攻着手

繰り返しになりますが、税金が絡む試算は税理士等の専門家に依頼することをおススメします。

以上になります。

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