個人事業主がやりがちな経理ミス3選!家事按分・控除の落とし穴

個人事業主がやりがちな経理ミス 3 選 日常業務
税理士事務所の現場から

個人事業主がやりがちな
経理ミス3選

悪意がなくても、申告後に税務署から指摘されるケースがあります

つい全額 経費に…? 家賃・光熱費・車を全額経費 → ✕ 家事按分が必要 住宅ローンの返済額を経費 → ✕ 控除と別の仕組み 所得税・住民税・社保を経費 → ✕ 経費でなく所得控除
確定申告のあとに税務署から指摘が来る——そんな事態を避けるために、この記事を書きました。税理士事務所での実務経験から、個人事業主・フリーランスの方が「うっかりやってしまいがちな経理ミス」を3つ厳選してお伝えします。共通するのは、どれも悪意がないのに、税務上は認められないという点です。「知らなかった」では済まされないのが税務の世界。この記事で、ご自身の帳簿に同じミスがないか確認してみてください。
MISS01
家事費をそのまま経費に入れている——「家事按分」を知らないと危ない
自宅・車・食事代。プライベートと共用のものは「事業で使った分だけ」が経費です

もっとも多いミスです。自宅で仕事をしていたり、車を仕事に使っていたりすると、つい「全部経費になる」と思いがちです。しかし、プライベートと事業で共用しているものは事業で使った分だけしか経費にできません。これを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。

よくあるNGパターン
  • 自宅の家賃を全額経費にしている
  • 自宅の水道・光熱費を全額経費にしている
  • 車を仕事でも使っているからと、車検・ガソリン代を全額経費にしている
  • 現場での昼食代を経費にしている
  • タバコ代を経費にしている
按分の考え方(例)
  • 家賃: 仕事に使っている部屋の面積の割合で按分(例: 家賃10万円×仕事部屋25% = 経費2万5千円)
  • 電気代: 仕事をしている時間や日数の割合で按分
  • : 走行距離のうち事業で使った割合で、ガソリン代・車検代・自動車保険などをまとめて按分
  • 昼食代・タバコ代: 原則として経費になりません(取引先との打ち合わせ・接待を伴う食事は別です)
⚠ 按分割合は「根拠を説明できるか」がすべて
按分の割合に法律上の決まりはありませんが、合理的な根拠が説明できる割合にしておく必要があります。「なんとなく5割」のような根拠のない按分は、税務調査で否認されるリスクがあります。面積なら間取り図、車なら業務日誌など、割合の根拠になる資料を残しておくのがポイントです。
MISS02
住宅ローンの返済額を経費にしている——「控除」とはまったく別の仕組み
「ローンを払っているんだから経費のはず」が通じない理由

「ローンを払っているんだから経費になるはず」——そう考える方が一定数いらっしゃいます。しかし住宅ローンの返済は経費になりません

混同されやすいのが「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」です。これは所得税から直接差し引く「税額控除」であり、経費として売上から引くものとは仕組みがまったく違います。「控除があるから経費にもなる」わけではなく、むしろ経費とは別ルートで税金を減らしてくれる制度だと理解してください。

正しい整理
  • ローンの返済額(元本): 借りたお金を返しているだけなので、経費にはなりません
  • 自宅の一部を事業に使っている場合: 経費にできるのは、建物の減価償却費・固定資産税・ローン利息などの事業使用分の按分(MISS 01と同じ考え方)であり、返済額そのものではありません
  • 持ち家で事業按分をやりすぎると住宅ローン控除が減る場合がある: 事業使用の割合によっては住宅ローン控除の対象面積に影響します。組み合わせの計算は複雑なので、持ち家で按分したい方は税理士への確認をおすすめします
✓ 迷ったらこう覚える
借金の返済は、いくら払っても経費にならない」——住宅ローンに限らず、事業用の借入金でも同じです(経費になるのは利息部分だけ)。お金が出ていくこと=経費、ではない典型例です。
MISS03
所得税・住民税・社会保険料を経費にしている——「所得控除」と混同しない
「税金を払ったんだから経費のはず」もよく見かけるミスです

「税金を払ったんだから経費になるはず」——こちらもよく見かけるミスです。結論から言うと、所得税と住民税は経費になりません。これらは「事業で儲けた利益に対して、本人にかかる税金」であり、経費として認められていないためです。帳簿に入れてしまうと、税務上の利益計算そのものが崩れてしまいます。

「経費NG」でも扱いが違う3グループ
  • 所得税・住民税: 経費NG。事業用口座から払った場合は「事業主貸」で記帳します(仕訳の詳細は住民税の勘定科目の記事で解説しています)
  • 国民健康保険料・国民年金: 経費NGですが、「社会保険料控除」として申告書の所得控除欄で全額差し引けます。経費の欄に入れると二重控除になる恐れがあります
  • 個人事業税・事業用の固定資産税など: こちらは経費OK(租税公課)。「事業にかかる税金は経費、本人にかかる税金は経費NG」が線引きです

「この税金・保険料はどっち?」と迷ったら、当サイトの無料ツールで確認できます(所得税・住民税の勘定科目 / 国保・年金の勘定科目)。

⚠ 「控除で引けるのに経費にも入れる」が一番危ない
国保・年金は控除の欄で処理するため比較的気づきやすいのですが、経費にも入れてしまうと同じ支出を2回差し引く「二重控除」になり、申告後の指摘につながります。所得税・住民税の経費混入とあわせて、申告前に必ず経費一覧をチェックしてください。
まとめ: 経理ミスは「知らなかった」では済まない
MISS 01
家事費の混入
→ 事業で使った分だけ。家事按分+根拠資料
MISS 02
住宅ローンの経費化
→ 返済額は経費NG。控除は別の仕組み
MISS 03
所得税・社保の経費化
→ 経費でなく所得控除。二重控除に注意

今回紹介した3つのミスに共通するのは、悪意がなくても税務上は認められないという点です。「お金が出ていった=経費」ではなく、「事業のために使った分だけが経費」——この原則を押さえておけば、大半のミスは防げます。「自分の申告は大丈夫かな?」と不安になった方は、一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。

支出ごとの勘定科目は、当サイトの無料ツールで3秒で調べられます。

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「この経費、本当に大丈夫?」「帳簿のつけ方がわからない」といったお悩みも対応しています。税理士事務所での実務経験をもとに、個人事業主の経理・確定申告をサポートします。

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この記事は、経理実務・税理士事務所での勤務経験をもとに、個人事業主の経理でよくあるミスを一般的な内容として解説しています。家事按分の割合や住宅ローン控除との関係など、税務上の取り扱いは個々の状況によって判断が分かれることがあるため、実際の申告・処理にあたっては税務署または税理士にご確認ください。
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