個人事業主がやりがちな
経理ミス3選
悪意がなくても、申告後に税務署から指摘されるケースがあります
もっとも多いミスです。自宅で仕事をしていたり、車を仕事に使っていたりすると、つい「全部経費になる」と思いがちです。しかし、プライベートと事業で共用しているものは事業で使った分だけしか経費にできません。これを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。
- 自宅の家賃を全額経費にしている
- 自宅の水道・光熱費を全額経費にしている
- 車を仕事でも使っているからと、車検・ガソリン代を全額経費にしている
- 現場での昼食代を経費にしている
- タバコ代を経費にしている
- 家賃: 仕事に使っている部屋の面積の割合で按分(例: 家賃10万円×仕事部屋25% = 経費2万5千円)
- 電気代: 仕事をしている時間や日数の割合で按分
- 車: 走行距離のうち事業で使った割合で、ガソリン代・車検代・自動車保険などをまとめて按分
- 昼食代・タバコ代: 原則として経費になりません(取引先との打ち合わせ・接待を伴う食事は別です)
「ローンを払っているんだから経費になるはず」——そう考える方が一定数いらっしゃいます。しかし住宅ローンの返済は経費になりません。
混同されやすいのが「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」です。これは所得税から直接差し引く「税額控除」であり、経費として売上から引くものとは仕組みがまったく違います。「控除があるから経費にもなる」わけではなく、むしろ経費とは別ルートで税金を減らしてくれる制度だと理解してください。
- ローンの返済額(元本): 借りたお金を返しているだけなので、経費にはなりません
- 自宅の一部を事業に使っている場合: 経費にできるのは、建物の減価償却費・固定資産税・ローン利息などの事業使用分の按分(MISS 01と同じ考え方)であり、返済額そのものではありません
- 持ち家で事業按分をやりすぎると住宅ローン控除が減る場合がある: 事業使用の割合によっては住宅ローン控除の対象面積に影響します。組み合わせの計算は複雑なので、持ち家で按分したい方は税理士への確認をおすすめします
「税金を払ったんだから経費になるはず」——こちらもよく見かけるミスです。結論から言うと、所得税と住民税は経費になりません。これらは「事業で儲けた利益に対して、本人にかかる税金」であり、経費として認められていないためです。帳簿に入れてしまうと、税務上の利益計算そのものが崩れてしまいます。
- 所得税・住民税: 経費NG。事業用口座から払った場合は「事業主貸」で記帳します(仕訳の詳細は住民税の勘定科目の記事で解説しています)
- 国民健康保険料・国民年金: 経費NGですが、「社会保険料控除」として申告書の所得控除欄で全額差し引けます。経費の欄に入れると二重控除になる恐れがあります
- 個人事業税・事業用の固定資産税など: こちらは経費OK(租税公課)。「事業にかかる税金は経費、本人にかかる税金は経費NG」が線引きです
「この税金・保険料はどっち?」と迷ったら、当サイトの無料ツールで確認できます(所得税・住民税の勘定科目 / 国保・年金の勘定科目)。
→ 事業で使った分だけ。家事按分+根拠資料
→ 返済額は経費NG。控除は別の仕組み
→ 経費でなく所得控除。二重控除に注意
今回紹介した3つのミスに共通するのは、悪意がなくても税務上は認められないという点です。「お金が出ていった=経費」ではなく、「事業のために使った分だけが経費」——この原則を押さえておけば、大半のミスは防げます。「自分の申告は大丈夫かな?」と不安になった方は、一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。
支出ごとの勘定科目は、当サイトの無料ツールで3秒で調べられます。
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