ChatGPT・Claudeで
確定申告はどこまでできる?
両方を毎日使う税理士事務所スタッフの正直な結論
まず、AIに任せて効果が大きい作業から。経理には「考える仕事」より「形を整える仕事」が多く、後者はAIの独壇場です。
- 領収書・明細の内容をもとにした仕訳の下書き
- 売上・経費の集計表や一覧表の作成
- Excelの整理(数式やフォーマットを組んでもらう)
- 取引先へのメール・案内文の下書き
- 専門用語や制度の「ざっくり説明」を聞く
筆者の場合、Claude Code(AIにフォルダ内のファイルを直接読み書きさせられるツール)に取引データを読ませて、指定した形式のExcelを丸ごと作らせる使い方をしています。「この列にこの数字、集計はこの形式で」と指示すれば、手作業より速く、転記ミスもありません。この種の作業は、もう人間が手でやる時代ではないと感じます。
筆者は両方の有料版を使っています。実務での使い分けは、シンプルにこうなりました。
- 質問・相談はChatGPT——会話のやりとりで疑問を深掘りしやすい
- ファイルを扱う作業はClaude(Claude Code)——フォルダの中身を確認して、Excelを指定形式で作るところまで任せられる
「有料版と無料版でどれくらい違うのか」もよく聞かれます。正直なところ、回答の質だけなら最近は差を感じにくくなりました。ただし経理用途では話が別です。ChatGPTの無料版はファイル添付が1日3ファイルまでという制限があり(2026年時点)、領収書の画像やExcelを何枚も読ませる経理作業では、実質的に有料版が前提になります。
ここからが本題です。AIに税金の「判断」をさせると、かなりの頻度で危ない答えが返ってきます。
実際にあった例です。AIに税務関係の書類まわりを手伝わせたところ、日付(期限・期間)の考え方が間違っていました。間違いを指摘すると、今度は回答が二転三転。最初の答えと修正後の答えのどちらが正しいのか、AIとのやりとりだけでは確かめようがなくなりました。
原因ははっきりしています。AIはネット上の情報から答えを組み立てますが、税務はネット上に古い情報・新しい情報・見解の分かれる情報が混在している領域です。しかも「解釈次第で白黒が変わる」論点が多い。だからAIはもっともらしい間違い(ハルシネーション)を起こしやすく、さらに厄介なことに、自力でネット検索しても両方の説が出てくるため、素人には正誤の判断がつかないのです。
- AIの回答だけで「これは経費にできる」と確定させる
- AIが出した税率・控除額をそのまま申告書に書き写す
- AIが示した「根拠」を、原典(国税庁の情報など)で確認せずに信じる
まとめると、確定申告でのAIの正しい使い方はこうなります。
- 資料の整理・集計・下書きはAIに任せる(ここで時間を稼ぐ)
- 合計や桁が合っているかは、自分で突合する
- 税率・控除・期限など「税金の判断」は、国税庁の情報や専門家で確認する
- AIが作った資料に不安が残るなら、人の目で最終チェックしてもらう
→ AIが作った経理資料、その数字を信じて大丈夫?——実務家の最終チェック法
→ AIに任せてよい
作業はClaude
→ AIに任せると危険
→ 人の目で行う
AIで確定申告の作業時間は確実に減らせます。ただし「税金の判断」と「最終確認」だけは人の仕事——この線引きさえ守れば、AIは経理の最高の相棒になります。
「AIに収支表を作らせたけど、この数字で本当に大丈夫?」——そんな不安がある方は、AI経理資料の確認方法をまとめたこちらの記事からどうぞ。

